Q健康って? 困ってるひと
最近読んだ本から、健康ってなんだろう、と考えさせられるもの2冊。
ばななさんの「Q健康って?」はタイトル通り、真の健康とは?をテーマとした、
様々な身体方面のプロフェッショナルとの対談+ご友人のるなさんのがん闘病記。
大野さんの「困ってるひと」はビルマ研究に励む大学院生が突如希少すぎる難病を得て、
生き抜くために治療やつらい病態だけでなく、社会制度とも戦うノンフィクション。
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「Q健康って?」、対談部分はすぐにできそうなことから、
哲学的なことまで、読みやすく面白い。
「健康=身体にどこも不具合がない」ではなく、精神が健康ということも重要なファクタである、
というのはほんとに納得する。
そして、るなさんの闘病記には本当に泣かされた。
彼女の精神の健康さはものすごいものがある。
周囲に感謝して、自分を信じて大変な治療(記述が具体的でためになる)に耐え、
病の中でも楽しみを見つけていくるなさん。
活字の上からでも、彼女の澄んだ目が見える気がした。
お顔を拝見したことは勿論ないのだけど。
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「困ってるひと」は文体が非常に軽妙。
ちょいちょいと挟まれるサブカルネタに笑い、自虐に笑う。
自分の状態を非常にクールに観察していて、突き放しているからこその笑いがあるなあと思う。
でも内容は結構、いやかなりつらいことを書いている。
冷静に病態や検査の内容を想像すると、非常につらく苦しそうだ。
心の動きについてもそう。
笑いにくるみつつとても繊細に描かれていて、一緒にきゅーんとしたり、どーんと落ち込んだり。
社会制度との戦いのくだりでは、こちらまでどげんかせんといかん気分になってくる。
が、彼女に同情するのは簡単だけど、やるべきことはそうじゃあないよな。
自分のことをちゃんとしないといかんよな。
なぜかそんなことを強く思った。
著者の大野さんはほぼ日で糸井さんと対談されているので、ご興味のある方はこちらもぜひ。